『JAPANESE CURRY AWARDS 2020 受賞店発表!!!』~日本のカレー文化を支える13店舗が出揃いました☆~

 

2020年も残すところあと僅か。
今年は新型コロナウイルスの猛威により、様々な業界が苦境に立たされています。
もちろん収束させる事は最優先。
しかしながら同時に通常の生活を取り戻していかなければいけなにのもまた事実です。
皆が極力気を配り経済を回せば、きっとバランスを取りながら抑え込んでいけるはずです。

そんな年末を迎えている昨今、今年もやってまいりました。
東西のカレーフリークが、日本のカレー文化を本気で考えたカレーアワード、

『JAPANESE CURRY AWARD 2020』

東西のカレーを愛してやまない偏愛家達が、「日本のカレー文化に貢献する」と思うお店を選出し、その中から12店舗を表彰するこの企画、今年も各部門の受賞店が決定しました!!!

【公式サイト】
https://japanesecurry.net/

各選考員が厳選したノミネート店の中から、今年はメイン10店舗・新人賞2店舗・名誉賞1店舗を選出。
選出すべく2020年12月21日に選考委員がリモートにて集合。
喧々諤々の議論の末、ついに受賞店が決定。
(諸々の都合により、関西からはTAK、三嶋氏の2名のみの参加)

【JAPANESE CURRY AWARD 2020 受賞店】

●メインアワード受賞(10店舗)●

アアベルカレー(大阪・九条)
とにかくブレない軸と着地点への明確なイメージ構成力で旬の食材をスパイスで仕立てていく、店主自身がマルチプレイヤーなミュージシャンである通り、まさに多彩な音楽的(バンドであったりオーケストラであったり)カレーを世に輩出しています。
また最近は今まであえて使ってこなかった出汁も使うカレーも作り出しており、さらにその拘りと楽しみに満ちた世界観を拡げています。
(文:三嶋達也)

ADI(東京・中目黒)
OLD NEPALと同じ時期に新たにOPENした1つモダンネパーリー。
日本の食材にこだわりながら、ネパールの伝統料理や家庭料理を組み合わせる、ネパール人と日本人の2人だからこそできた世界観だと思います。
(文:さと2)

間借りから実店舗化したネパール料理店。ランチのダルバートやチャイスタンドと、夜のモダンネパールコースとの両方の顔を持つ。安価なネパール料理が大勢を占める東京で、豪徳寺OLD NEPALと並ぶ新しい波を作るお店になっている。
(文:三吉)

ついにネパールにもモダンの流れが、という驚きがまず第一。家庭料理または素朴な料理という印象が強かったネパールを、雰囲気からメニューから一気にエレベートさせてしまったことに脱帽。
(文:NOMCO)

idematsu(大阪・南森町)
〝フレンチとスパイスカレーの融合〟
それを語る上で、イデマツは外せません。
フレンチシェフとして経験を積んだその技術・知識を用い生み出すカレーは、コースのメインディッシュといってもよい圧倒的フレンチとカレーの融合を発揮しています。
他ジャンルによるカレーを提供する店の中でも尖った存在。
(文:TAK)

OLD NEPAL TOKYO(東京・豪徳寺)
JAPANESE CURRY AWARDS2015新人賞の大阪「ダルバート食堂」、その本田オーナーが東京で新たな挑戦!
2019年から2020年にかけての大きなムーブメントとなるはずだったモダン・スパイス・キュイジーヌの世界にネパール料理から殴り込み。
ディナーのエレガントなモダンネパールコースを軸にしたお店作りは、リトルカトマンズ新大久保のネパール料理低価格競争のアンチテーゼであり、カレー料理がフレンチやイタリアンと肩を並べる一流グルメとなり得る指針をも示しています。
また開店とほぼ同じタイミングで、今まで、日本で料理体系として纏められていなかったネパール料理本を刊行。ネパール料理の素晴らしさを確かな知見で広めたのも重要なポイントです。
(文:松 宏彰〔カレー細胞〕)

ネパール料理をコース仕立てでいただく、モダンネパーリー先駆けのお店。ダルバート食堂の良さをのこしつつ、新しいことをやる想像力と、経験値の違いは食べればすぐに納得です。内装や器の1つ1つに強いこだわりを感じ、東京のカレーを語る上では欠かせない1店だと思います!!
(文:さと2)

ダルバート食堂の本田シェフが満を持して東京進出したお店。オープン直後は伝統的なカジャやダルバートを、ここ最近はそれに色々な要素が加わった料理を出しています。炭火で焼いたあと低温調理されたセクワやスープ仕立てのタルカリなど、様々に形を変えて提供される料理の数々は新しくありつつも正統派の味です。伝統に様々な現代的な要素が加わったまさにモダンネパール料理、ぜひ一度訪れるべきお店です。
(文:ノリ)

KARLY(島根・松江市)
鳥取のスパイスカレーの名店「かるだもん」出身の店主は、豚の骨髄をモチモチになるまで煮こんだパイカカレーに感動し、城下町松江に活気を与える思いでオープンし、町興しの功績は大きい。また、予約の出来るカレー屋さんとしてKARLY禅(2号店)を出店。スパイスは20種類でマイルドに仕上げ毎日でも食べたくなる味に。お米は「コシヒカリ」と「きぬむすめ」を合わせた島根産。お昼時ともなれば行列を作る人気店。
(文:しまじろ)

カレーの店 プーさん(東京・武蔵小金井)
1980年創業で今年40周年。野菜カレーが名物で、お皿いっぱいの素揚げ野菜につい目が行きますが、クローブの香りが立った重層的な旨味のカレーソースこそがこのお店の魅力。旨味のベースの1つが魚介ダシのスープで、和出汁を使った昨今のスパイスカレーのような味わい。40年も前からこのカレーを提供していたというのが驚きです。お店はいつも満席で、幅広い客層から愛されているのだなと感じます。
(文:鈴木智昭)

SAVOY(兵庫・三宮)
神戸のソウルフードと言われた「サヴォイ」が閉店・・・2019年に駆け抜けた衝撃のニュースの後、ファンの後押しにより見事再会復活。コロナ禍においても、カレーの冷蔵通販を開始するなど新たなステージへと踏み出しました。
(文:松 宏彰〔カレー細胞〕)

ジョニーのビリヤニ(石川・金沢市)
緊急事態宣言中、ここの宅配に助けられました。。
冷凍なのに、レンジ解凍したあとのふわふわの仕上がり。ハイデラバードを思い出す容赦ない辛さとスパイス感。ビリヤニを流通に乗せるなど誰が想像できたでしょうか。インド・パキスタンを日本に広めることに貢献しまくっているお店だと思います。
(文:さと2)

堕天使かっき~(大阪・阿倍野)
今年もますます活動の場を広げて全国的にかっきーの名を響かせて、大阪カレー界において全国区的なタレントともいえる存在感を確立しました。
仕込バーなる新しい営業形態も編み出して、仕込をしながらカレーに囚われない自由なスパイス料理をお酒と共に提供し、更なる新境地も開拓して進化し続けて異彩を放ち続けています。
(文:三嶋達也)

ティーハウスMURA(東京・代々木)
私のカレー食べ歩きの原点で、幻だったお店が今年17年ぶりに奇跡の復活!
インスタ映えはおろか、ブログやSNSすらない頃の料理を写真におさめる習慣がない時代から続くカレーは、古臭さを感じさせない独創的かつ芸術的なひと皿です。
刺激的なスパイス料理を当たり前に召し上がっている若い方たちにこそ、体験していただきたいと思います。
(文:USHIZO)

自由が丘にあった紅茶専門店が17年ぶりに復活。野菜の旨味が広がるMURAカレー。ナッツライスには薔薇のドライフラワーが散りばめ、スパイスカレーが台頭する昨今においても進化の先にある独創的なカレーです。
(文:しまじろ)

1977年から2004年まで自由が丘で営業していた、古くからのカレー好きには伝説的なお店となっていたMURAがまさかの復活。昨今のワンプレート盛りに通じる盛り付けは美しく、スパイスも塩気も控えめながら、油と野菜のうまみを軸に組み立てる味に感銘を受けました。チャイも本当においしい。
(文:鈴木智昭)

●新人賞(2店舗)●

India Gate(京都・烏丸)
日本人オーナーシェフによる、本格的なビリヤニレストラン。チキンやマトンと言った定番の食材はもちろん、松茸や鱧などの京都らしい食材も見事にスパイスと合わせ、一流のビリヤニに変身させる。まさに、魔法のスパイスの使い手。
(文:さいちゃん)

今年誕生した新進気鋭のビリヤニ専門店。しかしながら、今関西で最も尖った表現をしているお店です。インド的要素に和のテイストを加えたスタイルは、ビリヤニの新たな境地を開拓する可能性を秘めた実力店。
(文:TAK)

京都にあらたにできたビリヤニのお店。インドと和の食材の融合具合が素晴らしいです。定番のビリヤニと限定のハーフ&ハーフにするのもいいと思います。
関西の出汁文化とビリヤニがうまくマッチしていて面白いですね。
(文:ノリ)

牧谿(東京・市ヶ谷)
圧倒的オリジナリティ!
南インド料理と発酵中華という、異ジャンル融合の極みでありながら、その完成度は異様に高く、日本酒とのマッチングを提案したり、カレーにカカオを用いたりと自由自在。
カレーの無限の可能性を感じさせてくれる超大型新人です。
(文:松 宏彰〔カレー細胞〕)

インドや中国などの料理を独自解釈で融合させた、不思議なスパイス料理がいくつも並ぶ居酒屋さん。青菜のスパイス炒めに魚醤がきいていたり、インド系のカレーなのに豚肉が使われ、しかもウーロン茶の苦みがアクセントになっていたりと複雑さを極める。
料理だけでなく、日本酒の品揃えも通好み。正直言って万人向けとは言いがたく、日本のカレー文化に貢献するかは分からない。でも、こんなアクセントがあるお店があることで、東京のカレーシーンが一段と充実するのは間違いない。
(文:たあぼう)

このくらい、振り切った店ができたというのは今年元気になるニュース。どこにもないこのスタイルは、この先もなかなか真似はできないのではないだろうか。と同時に、今後別の形で独自のスタイルの店が誕生するキッカケになったはずで、カリーが一つまた次のステージに上がることを期待させてくれた。
(文:NOMCO)

●名誉賞(1店舗)●

アジャンタ(東京・麹町)
現在各地で影響を与えている(そしてJapanese Curry Awardsを受賞している)シェフを輩出した名店。現在の日本のカレー文化ということを歴史的に考えたときに、素通りは出来ないお店。
(文:三吉)

1957年、阿佐ヶ谷で「カレーと珈琲の店 アジャンタ」を始め、その後九段にお店を移し純インド料理店アジャンタを開店。1985年、現在の麹町に移転。日本で本場のインド料理を広めた功績と今もなお当時のレシピを伝承し守られている。アジャンタ出身の日本人シェフも多く、日本のカレー文化に大きく貢献した実績は名誉賞に値する。
(文:しまじろ)

創業から60年あまり、言わずと知れたインド料理の老舗。今でこそ日本でも大都市圏であればポピュラーになった南インド料理も、ここアジャンタの下地があったからこそといえるだろう。出身者が各地で独立して評判のお店となっていったことは周知の通り。お店が標榜するとおり、「インドと日本を、料理でつなぐ」役割を果たしてきた。
また、アジャンタは通信販売が充実する。新型コロナ禍で外出が制限されやすい昨今だが、家庭でその味を堪能できるのはありがたい。
さらに12月1日には池袋西武に惣菜店をオープンする。老舗の地位に安住せず、新たな業態に挑戦を続ける姿勢を応援せずにはいられない。
(文:たあぼう)

関西からは5店舗が選出!!!

関西からはメインアワード4店舗、新人賞1店舗が選ばれるという快挙。

神戸古参の『SAVOY』。
間借り時代からブレないスタイルを貫く『アアベルカレー』。
他ジャンル(フレンチ)との融合をみせる『idematsu』。
日本全国でその土地ならではのカレーを生み出す『堕天使かっき~』。
そして、今関西で最も尖った独創性溢れるビリヤニを生み出す『India Gate』。

どのお店もカレー文化に多大な影響を与えた名店ばかりです。
もちろん今回選ばれた全13店舗だけではなく、日本全国の様々なお店の影響が融合し、新たな文化となってゆくのでしょう。

2021年、まだまだ新型コロナウイルスによる苦難は続くかも知れません。
しかし、日本のカレー文化はきっと乗り越えていけるはず!!
みんなで盛り上げていきましょう!!

記事情報

【JAPANESE CURRY CUIDE 2020】
(ジャパニーズカリーアワード2020)
サイト:公式サイト

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