『中国菜 一碗水』~堺筋本町に潜む大阪最高峰の古典中国料理店☆~

 

一碗水(201604)01
インド・ネパール・タイ・スリランカ・パキスタン・ベトナム・カンボジアetc…
様々なアジア諸国の料理がありますが、何気に日本人に最も馴染みがあると言えば、やはりなんと言っても中華料理じゃないでしょうか。
個人的には中国料理もれっきとしたスパイス料理
ある意味で、歴史ある最古のスパイス料理と言っても過言では無いでしょう(知らんけど)。

今回、カレーなる友人からお誘いを受けてお邪魔してきたのが『中国菜 一碗水』
オーナーシェフである南氏は、過去にワーキングホリデーで滞在したカナダ・モントリオールで中国料理の魅力に目覚め、帰国後に修業開始。
東京・吉祥寺『知味 竹爐山房』にて修行され、2002年に現店をOPENされた経歴の持ち主。
その料理スタイルは5割以上が中国の「古典料理」
レシピをなぞるだけではなく、文献の欠落を自らの想像力で昇華させるという独自性を発揮しているとの事。

なかなか予約が取れない人気店故に見訪でしたが、遂に初訪問が叶いました☆(^ω^)


一碗水(201604)02地下鉄堺筋線 堺筋本町駅の12号出口から本町通を東へ。
2つめの信号(阪神高速高架の手前)を左折して1ブロック進みますと、交差点の北西角にあるビルの1階に店舗を発見。
外観からも隠れ家的な雰囲気が漂ってますねー。
この日は貸切営業っちゅー事で、気兼ね無く楽しめるというゴイゴイスーな贅沢っぷり(^^)

店内は白&木目調のシンプル且つ厳かな雰囲気のある空間。
カウンター15席から見える厨房は、さながら劇場型のライブ的リアリティです。
なるほどなるほど、確かにこの空間でパシャパシャシャッター音鳴らすのは気が引けますねー。
今回は完全貸切営業やったのでOKいただいております(・∀・)

一碗水(201604)03こちらのディナーは、全10品からなる月替わりコースのみの提供。
ん~~…メニュー名では何がなんだかです(笑)

・鼓椒款冬(ふきの炒めもの)
・咸蛋蚕豆(空豆の玉子和え)
・干煽桜虲四季豆(桜海老と三度豆の炒め)
・金陵塩水鴨(アヒルのスープ蒸し)
・招牌時例魚翅湯(広東式フカヒレスープ)
・蒜香脆炸蟶子(穴子のアスパラ巻 ガーリック風味)
・油燜筆笋(上海式筍の醤油煮込み)
・喼汁里脊(豚ロースの自家製中国式ウスターソース炒め)
・葱姜蛍烏賊拌麺(ホタルイカの絡めそば)
・宮廷点心 豌豆黄(青えんどう豆の羊羹)

シェフの説明によりますとこんな感じ~。


・月替わりコース:6,500円
【鼓椒款冬(ふきの炒めもの)+咸蛋蚕豆(空豆の玉子和え)】
一碗水(201604)04
先ずは前菜その1~2。
左がふき、いかなご、ナッツ等を甘辛く炒めた一品。
右が空豆と玉子をさっと合わせております。

のっけから大爆発。
ふきの甘さにイカナゴの塩気や仄かな胡椒の刺激。
全てにバラつきが無く、一体となった正に「旨味」として押し寄せてきます。
空豆の淡白な甘味に玉子の仄かな塩気のアクセント。
いやー…今回はほんまロクな事言えないかも。。。

【干煽桜虲四季豆(桜海老と三度豆の炒め)】
一碗水(201604)06
所見は三度豆に見えない程の、ギュッと凝縮感のあるヴィジュアル。
凝縮感は見た目だけではなく、味に関しても半端無いですな。
しっかり濃い三度豆の甘味に桜海老の豊かな風味。
そこから広がる形容し難い旨味が波となって押し寄せてきます。
これは延々と紹興酒が進むやつ。


【金陵塩水鴨(アヒルのスープ蒸し)】
一碗水(201604)05
一口大のアヒル肉をしっかりとスープで煮込んだ一品。
見た目の淡白さからは想像できない圧倒的な深み。
肉質の柔らかさは言うに及ばず、淡白さの中に優しくも実に良い味わいが響き渡ります。
強烈個性ではないにもこの存在感、脱帽モンです。


【招牌時例魚翅湯(広東式フカヒレスープ)】
一碗水(201604)07
続きましてスープ。
4月のスープの内容は「フカヒレとモヤシのスープ」です。
先ずはスープのみでグイッと一口。
その瞬間、口内で起きる味の大爆発(ビッグバン)。
とてつもなく濃い旨味が炸裂するんですが、「くどい」のではなく「濃い」なのです。
故に全く舌に嫌な重さを感じず、強烈な旨味のみが染み渡っていきます。
フカヒレのプチプチとした心地良い繊維の食感も心地良く、丁寧に髭を取ったもやしのフレッシュなシャキシャキ感とのコントラストも秀逸。


【蒜香脆炸蟶子(穴子のアスパラ巻 ガーリック風味)】
一碗水(201604)08
極太のアスパラガスに肉厚な穴子を巻いて揚げた一品。
友人曰く「細めのキュウリくらいあるでしょ」の言葉通り、シャキッとした噛み応えにしっかり豊かな甘味。
そこに穴子のふわふわカリカリな食感が巻き付き、これまた柔と剛の食感コントラスト。
ガーリックはガツンとくる利きではなく、食材の旨味・風味を掻き消さない絶妙な調律具合。
全く嫌味の無い、こんなガーリックの使い方があるのかと目から鱗の逸品です。


【油燜筆笋(上海式筍の醤油煮込み)】
一碗水(201604)09
今回のラインナップの中で、ある意味1番衝撃だった御品。
はい、ご覧の通り「筍の煮込み」です。
おそらくヴィジュアルからは、何の変哲も無い筍煮込みにしか写らないでしょう。
しかし…この筍煮込み、とんでもない代物です。
大阪泉州貝塚産の筍を生の状態からじっっっくりと煮込んでおり、染み具合、食感、味のバランス、濃厚さ…全てにおいて群を抜いたトータルバランスの高さ。
これはね、直に味わって感じてもらわないと伝わりきらないですわー。


【喼汁里脊(豚ロースの自家製中国式ウスターソース炒め)】
一碗水(201604)10
いよいよメインもお肉に差し掛かってきました。
自家製のウスターソースによって香り高く仕上げられた豚ロース炒め。
柔らかく炒められたレタスのベッドに横たわっております。
肉厚にカットされたロースの絶叫的柔らかさからの、先ずはキリッと立った酸味。
そしてじわりと広がる酸味からの甘味。
しっかり濃い味ですが、やはりくどさを感じない摩訶不思議なバランス感です。
レタスも抜群の火の通りで、シャキッとしたフレッシュさを残しながらも、レタスのえぐみは全く感じない、むしろ甘さが引き立っております。


【葱姜蛍烏賊拌麺(ホタルイカの絡めそば)】
一碗水(201604)11
メインのラストは麺もので。
細めのストレート麺の上には、蛍烏賊、刻み青葱、白髪葱、針生姜。
そして麺の底にはペースト状になった蛍烏賊ソースが敷き詰められております。

一碗水(201604)13「よく絡めてお召し上がり下さい」っちゅー事なんで、満遍なく絡まるまで混ぜまくります☆
混ぜ合わせる度に、蛍烏賊の濃厚な旨味感じ取れる香りが立ってきます♪

一碗水(201604)14強烈なまでの旨味を携えた蛍烏賊ソースに、白髪葱&針生姜の爽快さがむたくたマッチ!!!
やや柔らかめの麺は、コシよりも全体の旨味を阻害しない適度な食感です。
当然ながら日本の麺文化とは全く違った方向性の、中国式麺料理っすねー。

【宮廷点心 豌豆黄(青えんどう豆の羊羹)】
一碗水(201604)15
食後のデザートは「宮廷点心」と題された青えんどう豆を使用した羊羹。
角には塩の結晶が添えられています。
羊羹と聞いて結構な弾力を想像していたんですが、これが驚く程の滑らかさ。
口の中でスッと解ける極上の口溶けです。
青えんどう豆の純粋な甘味に、塩の結晶の仄かな刺激が良いアクセント的効果。
焙煎発酵された烏龍茶と併せていただく、コースの最後を締めくくる落ち着きの一時です。

暫し余韻に浸るこの心地良さよ。。。
もう今回は「禿げウマ!!!Σ(゚Д゚)」とか軽々しく言える感じじゃないですなー。
なんというか、奥深さを体感し過ぎて…

何も言えねえ!!!Σ(゚Д゚)
(散々言うた後にww)

いやほんまに極上の古典中国料理を堪能させていただきました!!!
ご馳走様でした!!!m(_ _)m


高槻市の『溢彩流香』にお邪魔した際にも感じましたが、こういった方向性の中国料理というのもあるんだなーと実感。
今まで味わってきた中華料理(あえて「中華」と表現しましょう)とは全く違った印象。
これが「中国古典料理」というやつでしょうか。

この衝撃・感動は、写真&文章では伝わりきらないのは明白。
是非とも困難な予約を勝ち取って体験してほしいお店です。


【中国菜 一碗水(イーワンスイ)】
ジャンル:中国料理
電話:06-6263-5190
住所:大阪府大阪市中央区安土町1-4-5 大阪屋本町ビル1階
交通手段:地下鉄堺筋線 堺筋本町駅から徒歩約5分
営業時間:下記参照
月・火・金12:00~(中華粥ランチ)
土・日・祝12:00~14:00(ランチコース※要予約)
日~土・祝18:00~21:00(月替りコース※要予約)
定休日:水曜日・第2・4木曜日
駐車場:無
サイト:無

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。